スタジオジブリ

「天空の城ラピュタ」のあらすじと考察ポイント【完全ネタバレ】

「天空の城ラピュタ」は1986年に公開された宮崎駿監督による劇場用アニメーション作品である。スタジオジブリとしては最初の作品となる(というよりラピュタを作るために作られたのがスタジオジブリである)。今なお根強い人気を誇り、ジブリ作品で一番好きという人も多いだろう。

私自身もとても好きな作品で、小学生の頃はほんとに毎日見ていた時期があった。今回はそんな「天空の城ラピュタ」のあらすじと3つの謎について書いていこうと思う。ただ、あらすじと言っても全部話してしまうので、ネタバレが嫌な人は途中まで読んで本編を見てください

「天空の城ラピュタ」の登場人物と声優一覧はこちら

「天空の城ラピュタ」のあらすじ(ネタバレあり)

あらすじ①:蜘蛛の糸

物語の主人公は少年パズー。彼はまだ子供だが、寂れた鉱山の下働きとして過酷な日々を送っていた。その日もパズーは残業だったが、優しい街の人々に囲まれ、「
いつもの日々」を過ごしていた。

夜食を仕入れて職場に戻るパズーの目に、空からゆっくり落ちてくる不思議な光が目に映る。よく見るとそれはどうやら人のようだった。

大慌てで空から落ちてきた人のもとに向かうパズー。なんとかたどり着いたパズーの目の前にはお提髪の女の子がいた。そしてその胸元には、不思議な石が光り輝いていた。

翌朝女の子はパズーの家で目を覚ます。見知らぬ部屋に少々困惑するが、なにやら外からトランペットの音が聞こえる。その音に導かれるように屋根に上ると、一人の少年がトランペットを吹いていた。そこで二人はようやく会話を交わす事ができた。少年の名前はパズー、女の子はシータという名前だった。

自己紹介を済ませると、パズーはシータの首にかけてある石を貸してほしいと頼んだ。彼は昨晩みた不可思議な現象の原因がその石であると考えたのだ。シータから借りた石を首に変えると、パズーは屋根から飛び降りた。

残念ながらシータの石はパズーの望んだ力を発揮してはくれなかったが、運良くパズーは軽い打撲程度ですんだ。

気を取り直して二人は食事にすることにした。パズーが食事を準備している最中に、シータは雲の中にそびえる不思議な城の写真を発見する。パズーによるとそれは彼の父親が撮影したもので「ラピュタ」という空に浮く島だという。

パズーはその写真を撮影した父を信じていたが、結局パズーの父は詐欺師扱いされ失意の内に息を引き取った。そんな父の無念を晴らすためか、多忙を極める日々の中で、パズーは飛行機(オーニソプター)を独自に開発していた。

そんな話をしていると、パズーの家の外にオートモービルが止まった。珍しいオートモービルにパズーは少し興奮したが、シータの様子がおかしい。シータによると彼らは海賊(空賊)であり、シータを狙っているという。シータを守るべくパズーは動き出す。

街の人々の手助けあり、最初の追手を振り切ったパズーとシータだったが、海賊の首領ドーラの追撃は激しく、二人は窮地に追いやられる。

逃亡するパズーとシータは線路の上を走っていた。二人を追い詰めるドーラの追撃に、二人は線路から振り落とされてしまう。鉱山の奥深くに落ちていく二人。そこで再び奇跡が起こる。シータの首元にある石が光り輝き、二人の体を宙に浮かせた。

ゆっくり鉱山の洞窟に降りていった二人は、なんとかドーラたちから逃れる事ができた。すでに使われなくなった鉱山の中で、二人はようやく食事をとることが出来た。

そこに老人が現れる。シータは少し警戒したが、パズーの知りありであった。その老人はポムじいさんと呼ばれていた。

ポムじいさんによると洞窟内は「石が騒いでいる」状態になっており、そんなときに洞窟内にいるのがポムじいさんは好きだという。ポムじいさんは、小さな石を割って見せてくれた。割れた石は内部が短時間青く輝き、すぐに普通の石に戻ってしまった。するとポムじいさんは明かりを消し、あたりの様子を伺った。

すると洞窟内の岩が星のように輝き出した。ポムじいさんによると、この地域の岩には「飛行石」が含まれており、暗くすると光り輝くという。

その時シータは異変を感じる。首にかけていた石が強く光り輝いていた。

シータが持っていた石は飛行石を結晶化させたものだった。ポムじいさんによると、飛行石を結晶化させる技術はかつて「ラピュタ人(らぴゅたびと)」だけが持っていたという。そして、石が騒ぐのは、その上空にラピュタが来ているからだということも伝え聞いていた。

その言葉にパズーは歓喜した。父の死後たった一人でラピュタを目指したパズーにとって、ようやく耳にすることが出来た前向きな情報であり、飛行石のちから出宙に浮くという経験をしたパズーにとって、ラピュタの存在はもはや事実であった。

ポムじいさんの道案内で洞窟から出たバズーは、ラピュタへの思いを募らせていた。そんなパズーにシータが親から受け継いだ秘密の名前を伝える。その名は「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」。シータには「ラピュタ」を関した秘密の名前があった。その事実に驚くパズーだったが、そんな二人を軍が包囲する。シータを狙っていたのは海賊だけではなかった。

パズーは懸命にシータを守ろうとしたが、圧倒的多数の軍を前に、二人は捕まってしまった。

あらすじ②:シータの救出

捉えられたパズーは牢獄に入れられていたが、塔に幽閉されて入るもののシータの待遇は良かった。シータは「ムスカ」という男に軍の施設の地下深くに連れて行かれた。そこには壊れて動かなくなった不思議なロボットがいた。

ムスカは軍のラピュタ探索の指揮をとっていたが、そもそも軍がラピュタ探索に本腰を入れたのは空からこのロボットが落ちてきたがことがきっかけであった。

ムスカはシータの秘密の名前をも知っており、シータに飛行石を稼働させる秘密の言葉を教えるように迫った。

シータは「そんなものは知らない、パズーに合わせてほしい」と懇願するが、「君が協力的になれば彼も自由にできる」とムスカはシータに告げる。シータはこの言葉に折れてしまった。

牢獄に入れられていたパズーは不意に開放される。そこにいたシータはまるで別人のようにパズーにはもうラピュタから手を引くように告げた。状況に混乱するパズーだったが、ムスカは「海賊から守ってくれてありがとう」と半ば無理やりパズーに金を渡した。

圧倒的な力の前に、パズーは屈するしかなかった。パズーは無力な自分を責めながら、静かに帰路につく。受け取ってしまった金を投げ捨てようともしたが、それも出来なかった。パズーは再び過酷な鉱山での労働の日々が待っている・・・・はずだった。

家にたどり着くと、なぜかそこにはシータを追っていた海賊連中が占拠し、飯を食らっていた。

自分の家で何故か海賊に拘束されたパズー。そればかりか、パズーが持っている大金を目にした海賊共に「金で女を売ったのか」と笑われる始末だった。

「シータがそうしろって言ったんだ!」と虚しく強がってみたが「懸命に男を救おうとした女心がわからないのか」と海賊の首領に一笑に付されてします。パズーもそこでようやくシータの真意に気がついた。

その刹那、軍の通信を傍受した海賊は再び飛行石の奪取に動き出す。

それを見て動向を懇願するパズーに、海賊の首領は「パズーがいたほうが娘が言うことを聞くかもしれない」という打算のもとに、同行を許可した。

そんな状況になっていることを知らないシータは塔に閉じ込められ孤独な時間を過ごしていた。そんなシータは不意に幼少期のことを思い出す。辛いことがあったときに元気を取り戻す魔法の呪文を母から教え聞いていた。その言葉つぶやくと、シータの首元の飛行石が強く輝き出した。

その輝きに呼応するように地下で眠っていたロボットがその息を吹き返し、何かを求め動き始めた。

動き出したロボットが圧倒的な攻撃力を発揮し、シータが捉えられている軍事基地を壊滅状態に陥れる。シータを発見したそのロボットは、まるでシータを守るかのように破壊活動を続けた。

そこに海賊と共にパズーが現れる。彼は海賊が使う「フラップター」という小型飛行機(オーニソプター)に乗ってやってきた。シータの奪還は困難を極めたが、パズーはやり遂げた。

シータは混乱の中で飛行石を紛失していたが、なんとかパズーのもとに戻ることが出来た。

飛行石を失い、軍からも海賊からも追われることのなくなった二人だったが、「ラピュタの真実」を追求すべく海賊に同行したいという願いを述べる。海賊の首領はわずかに嫌がったが、その他の構成員は雑用を押し付けられると大喜びだった。どうやら気のいいらしいその海賊は、首領の名を関して「ドーラ一家」と呼ばれていた。

あらすじ③:ラピュタへ

シータの持っていた飛行石を入手したムスカ率いるラピュタ探索隊は、飛行石の光が指し示す場所へ向かっていた。シータが思い出した言葉によって、飛行石はラピュタの位置を指し示す光を出していたのだった。

すでにシータは飛行石を失っていたが、初めて飛行石がラピュタの方向を指し示した瞬間をよく覚えていた。ドーラ一家の旗艦「タイガーモス号」は、シータの証言をもとにラピュタに舵をとった。その一方で、パズーとシータは「タイガーモス号」の雑用をこなしていた。

パズーたちは、彼と同様にラピュタに向かう軍の旗艦「ゴリアテ」の警戒をしつつラピュタに向かった。直接の目視での警戒も交代で行われ、パズーもその任に当たっていた。そこにシータが現れる。パズーはシータを心配して戻るように言ったが、結局は二人で警戒を行うことになった。そこで2人は非謹慎でありがなら、特別な時間を過ごした。それは2人にとてってとても大切な時間だった。

しばらくは静かな時間が続いたが、パズーはタイガーモス号の直下の雲の中にゴリアテを発見する。直ちに避難行動を取り一時はゴリアテを交わしたパズーたちだったが、より偵察を強化するためにパズーとシータを「有線カイト」で飛ばした。

再びゴリアテを発見するが、ゴリアテの攻撃が激しくタイガーモス号は窮地に陥る。その刹那、一団は巨大な積乱雲「龍の巣」に出くわす。ドーラは「龍の巣」から逃げようとするが、パズーは「龍の巣」に突入することを進言する。パズーは父の言葉を忘れていなかった。パズーの父はバリアのように逆向きの風が吹く龍の巣の中にラピュタを発見したのだ。ドーラも腹を括り「龍の巣」に突入することを決断するが、その刹那ゴリアテの攻撃がタイガーモス号を直撃する。

ゴリアテの攻撃により、パズーとシータが乗るカイトがタイガーモス号から分断され、単身で龍の巣に飲み込まれていく。強風と雷の鳴り響く雲の中に、パズーは父の姿を見たような気がした……。

気がつくと2人を乗せたカイトは不思議な場所に降り立っていた。あたりを見渡すとそれは天空にそびえる城。まさにラピュタであった。

残念ながらラピュタにたどり着いたのはパズーとシータだけではなかった。ムスカ率いるゴリアテの一団もラピュタにたどり着き、略奪の限りを尽くしていた。不幸中の幸いであったのは、ドーラ一家は捉えられているにとどまり、その生命は奪われていなかった。

パズーは世話になったドーラ一家の救出を決断する。

2人は囚われのドーラに肉薄したが、既のところで再びシータがムスカに捕まってしまう。飛行石のちからを用いてラピュタの壁の向こうに消えたムスカたちに、やむなくパズーはドーラ救出を優先する。

ラピュタの略奪にてんやわんやの軍のすきを突き、パズーはドーラ達の救出に成功する。その際ドーラから一丁の大砲を預けられる。パズーはその大砲を手にシータを救いに向かう。

一方シータを捉えたムスカは、飛行石の力を用いてラピュタの「中枢」にたどり着いていた。そこでシータはムスカから彼もラピュタの名を冠する秘密の名前を持っていることを告げられる。ムスカの秘密の名は「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」。ムスカとシータは、2人ともラピュタの王家にその起源を持つ存在であった。シータの一族が地上での生活に未来を託した一方、ムスカの一族は失われたラピュタヘの渇望を失ってはいなかった。

ムスカはようやくその本性を表し、ラピュタの機能を掌握した上で、自らを「ラピュタ王」と名乗った。

その状況に困惑したのはパズーばかりではなかった。ムスカと共にラピュタに到達した軍属もその主張に困惑し、そもそも気に入らなかったムスカに対する敵対心をあらわにする。しかしラピュタの機能を掌握しているムスカは、共にラピュタに来た軍隊の隊員に攻撃を加える。彼の命令のもとに、地上に落ちてきたロボットと同型の存在も動き出した。彼らは逃げ出す他なかったが、そのロボットの追撃は終わらなかった。

パズーはその混乱のなかで、ムスカとシータがいるラピュタの「中枢」に近接する。ムスカのスキを突いて逃げ出したシータもパズーを追い求める。

逃走したシータを先に発見したのはムスカだったが、パズーもすぐさまシータを捉えた。パズーは再びムスカと対峙する。

射撃が得意なムスカはそれでも余裕であった。大砲を向けるパズーに対して余裕を見せるムスカは「最後の時間」を2人に与える。そのときにパズーは「例の言葉」を使うことをシータに進言する。タイガーモス号の上ですべてを終わらせるその言葉を聞き知っていたパズーの「最後の判断」だった。

シータとパズーはムスカに向かって叫ぶ「バルス!」

その刹那、ギリギリでその形を保っていた「ラピュタ」が崩壊を始める。

ドーラ一家はフラップターでの逃亡を画策するが、ギリギリまでパズーとシータを待った。しかし、「バルス」唱えた瞬間の衝撃で気を失っていたパズーとシータはドーラ一家のもとには戻ってこなかった。やむなくラピュタを離れたドーラ一家は、二人の死を覚悟した。

気を失っていたパズーとシータは奇跡的に木の枝に絡み取られてラピュタの崩壊から逃れていた。九死に一生を得た2人は、乗ってきたカイトでラピュタをあとにする。

パズーとシータはドーラ一家と再開し、最後の別れをする。

父のとった1枚の写真から始まったパズーの冒険は終わりを告げ、ようやく人生が始まる。シータと共にどんな人生を歩むのだろうか?


以上が「天空の城ラピュタ」のあらすじである。まとめようとしてみると分かったが、極めて緻密にシナリオが組まれているので省略できるところが殆どなかった。その緻密さが、ラピュタの軽快さを生んでいるのかもしれない。また、映像的には極めて魅力的なのに、文章にするのは極めて困難な部分も多かった。やはり映像作品は映像作品として楽しむべきものなのだと思う。

続いては考察ポイントについて。

「天空の城ラピュタ」の考察ポイント

考察ポイント①:墜落したロボット

ムスカという登場人物は作品中異色の魅力を発揮しているが、彼が軍を動かしてラピュタ探索を指揮できた本質的な理由は「ロボット墜落事件」である。

物語の進行上極めて自然なので簡単に受け入れてしまうのだが、あのロボットは何故ラピュタから落ちてきたのだろうか?そのことについて個人的に考えたことを以下の記事にまとめている。

「天空の城ラピュタ」で何故ロボットは空から落ちてきたのか?前回「天空の城ラピュタ」について、「向こうは逆に風が吹いている」という個人的に好きなセリフをもとに、「パズーの過酷な人生と父への思い」に...

この記事では墜落の理由とともに「ロボットが墜落することの意味」についても書いている。時間があったらご一読の程を。

考察ポイント②:ラピュタを目指すパズー

「天空のラピュタ」の主人公パズーはシータに出会うまでの日々の中で、懸命にオーニソプター(飛行機)を作っていた。それはもちろんラピュタを目指すためだった。

しかしここで重要なのは何故パズーはラピュタを目指さなくてはならなかったのか?ということである。もちろん詐欺師扱いされて死んでしまった父の無念を晴らすために違いない。しかしその内面の真実はそんな真っ直ぐで単純なことでは語り尽くせないものと私には思える。その辺のことを以下の記事にまとめている。

「天空の城ラピュタ」の主人公パズーの名台詞「向こうは逆に風が吹いている」を考える。「天空の城ラピュタ」は1986年に公開された宮崎駿監督による劇場用アニメーション作品である。宮崎作品の中でも屈指の人気を誇る作品だと思う...

パズーは何故あれほどまでに頑張ってオーニソプターを夜な夜な作り続けたのだろうか?

考察ポイント③:ポムじいさんの謎

「天空の城ラピュタ」の本編中、登場時間はさほど多くないものの、我々に特別な印象を与えた存在が「ポムじいさん」であろう。物語上のポムじいさんの役割は、パズーにラピュタの存在を信じさせることになっている。シータの出現とポムじいさんの証言によって、パズーは本当にラピュタを信じることが出来た。

しかし皆さん思い出してほしい。本来ポムじいさんの役割を担わなくてはならなかった人物を一人我々は知っている。ポムじいさん以上の説得力をもってパズーにラピュタの存在を信じさせることが出来た人がいる。そしてその人は、ラピュタの真実をパズーに伝える責任があったはず。しかし、その人物は再登場せず、本来その人物が行うべきことをポムじいさんが行った。

さて、その人物とは誰なのか?なぜその人物のやるべきことをポムじいさんが行ったのか?その辺のことは以下の記事の「おまけ」に書いてみた。

「天空の城ラピュタ」の主人公パズーの名台詞「向こうは逆に風が吹いている」を考える。「天空の城ラピュタ」は1986年に公開された宮崎駿監督による劇場用アニメーション作品である。宮崎作品の中でも屈指の人気を誇る作品だと思う...

皆さんはどう思うでしょうか?

おまけ:運搬されるシータ

実はこれが「天空の城ラピュタ」最大の謎かもしれないのだが、パズーはシータをどうやって自宅まで運んだのだろうか?

そもそも空から落ちてきたシータは初め、巨大な歯車の横に寝かされており、パズーはまずあそこからシータを降ろさなくてはならない。相当屈強な男でも困難を極めるだろう。

しかし事実としてパズーはシータをそこから降ろし、自宅まで運んだのである。このことについてはまだ答えが出ない。「そこまで考えてないんじゃない?」という考え方もできるのだが、宮崎駿なら考えているはずだ。少なくともプロディーサーの高畑勲がそこを見逃すとは思えない。

パズーはどうやってシータを運搬したのだろうか?重要な謎なのだが個人的な答えがまだないので「おまけ」としてみました。皆さんはどう思いますか?

この記事で使用した画像は「スタジオジブリ作品静止画」の画像です。

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