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「魔女の宅急便」は1989年に公開された宮崎駿監督による劇場用アニメーション作品である。

今回は「魔女の宅急便」の登場人物と声優を振り返りながら、それぞれの魅力や物語について考えていこうと思う。「魔女の宅急便」の登場人物はどんな人々だったのだろうか?

以下の文章では不意にネタバレが挟まれますので、その点はご注意ください。


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魔女の宅急便」の主要な登場人物&声優一覧

名前 年齢 声優

キキ

13歳 高山みなみ

ジジ

13歳 佐久間レイ

コキリ

37歳 信沢三恵子

オキノ

40歳 三浦浩一

トンボ/コポリ

13歳 山口勝平

先輩魔女

不明[1]小林優子

おソノ

26歳 戸田恵子

亭主(おソノさんの夫)

40歳 山寺宏一

ウルスラ

18歳 高山みなみ

老婦人

70歳 加藤治子

老婦人の孫娘

不明 鍵本景子

マキ

不明 井上喜久子

掃除夫

不明 田口昂
[1]
先輩魔女の「もうすぐ修行が明ける」という発言から14歳以上であることがわかる。また、「魔女の宅急便」に出てくる女性は全体で「一人の女性を」の人生を描いているという立場に立つなら、その後に出てくるウルスラが18歳なので、先輩魔女は14歳から17歳ということになるだろう。

登場人物と声優の基本情報とキャラクター考察

キキ|声優:高山みなみ

キキの基本情報

物語の主人公、13歳。「魔女のしきたり」に従って、親元を離れて「自分の街」を探す旅に出る。

母からもらった箒(ほうき)を片手に「海の見える街」に到着するが、自分が期待していた「歓迎ムード」など皆無であった上に、箒で暴走してしまった事によって警察の厄介になりかけた。

しかし、そんな彼女前に「蜘蛛の糸」というべきか「運命の女神」というべきか、パン屋のおソノさんが現れる。

奇跡的に拠点を得られたキキと先輩魔女

結局おソノさんに気に入られたキキは、街の中で拠点を得ることが出来た。だからといってキキの旅が終わったわけではなくそこから始まるのだが、雨風をしのげる拠点を早速手に入れることが出来たことは極めて重要なことだっただろう。

ここで考えるべきなのは、あの世界で13歳になった魔女のすべてがおソノさんのような人に出会うことが出来たのか、すぐに拠点を発見することができたのかということである。

もしかしたらそうなのかもしれない。可能性はいつだってゼロではない。しかし、拠点を見つけることが出来ないことのほうが普通ではないだろうか。いかんせん13歳なので。

では、ほとんどすべての魔女たちはどういう経緯をたどりながら「しきたり」を終えたのだろう。その辺のことについて考えたことを以下の記事にまとめている:

先輩魔女が「嫌な奴」としてキキの前に登場したことには意味があったと思われる。

空を飛べなくなるキキ

「魔女の宅急便」で発生した最大の事件はキキが空を飛べなくなったことだろう。特技が「空を飛ぶこと」だけだったキキにとって、空を飛べないということは深刻な問題であった。

それを引き起こしたのは明らかに以下の2つの「事件」である:

  • 「ニシンのパイ」歓迎されない事件
  • トンボの友人いけ好かない事件

さて、何故この事件によって、なぜキキの力は弱まったのだろうか?

実のところ、この疑問そのものが間違っているというのが答えになるだろう。つまり、キキの力はそもそも弱かったのである。

なんというか、「地元じゃ負け知らず」というべきか、「根拠なき無敵感」というべきか。彼女は故郷にいる限りにおいては空を飛ぶ力のある優れた魔女であり続けられたのである。しかし、そんな力は故郷を離れた瞬間になんの価値もなくなる(意味はあり続けるかもしれないが)。

彼女は彼女として、「地元じゃ負け知らず」を超えた新たな価値を人々に見せつけなければならない。しかし、それは簡単なことではない。

キキはおソノさんという「奇跡の人」に出会うことが出来たので「宅配業」という作戦を立てることまでは出来たが、それは「成功」を保証しない。「魔女の宅急便」という作品において「キキに与えられたレール」はそこまでなのである。

あの2つの事件をもってキキはようやく「自分は無力である」ということを完全に自覚したということになるだろう。「無力」とは、これまでの蓄積がなんの意味もない状況に立たされるということである。

だからキキはこれまでのように飛べなくなったのである。つまり、これまで自分が「高い」と思っていた高度は大した高度ではないことに気づいたということになる結局彼女は、新たに学び、蓄積し、アウトプットし、それでまた失敗して、また学びということを繰り返さなければならない状況に立たされた。

そいういう現実を知るために、魔女は13歳で旅に出るのである。特筆すべき才能に見えるものも、実は大したものではないかもしれないから。

このように考えてみると「魔女の宅急便」という作品は、類まれなる才覚を持ち、そしてその才覚を存分に活かしきった宮崎駿監督の「才能論」を表現した作品だったといえるかもしれない。

ウルスラとキキとの対話はこの物語において極めて印象的なものだった。

あれはつまり、今あるものだけではどうにもならなくなったときに、その苦しい状況をどのようにとり扱うべきかを学んでいたのである。そしてそれは、どう考えても宮崎駿の思い(考え)だろう。

まとめるならば、キキがあの事件の後に飛べなくなったのは、これまで自分が経験したことのない事実に対峙し、自分の力が対したものではないということに気がついたからということになるだろう。キキは自分という存在をようやく相対化出来たとうことでもある。

声優の高山みなみ

声を担当したのは声優の高山みなみさん。「名探偵コナン」の江戸川コナン、「ミスター味っ子」の味吉陽一、「楽しいムーミン一家」のムーミントロール、「まじかるタルるートくん」の江戸城本丸などなどなど、幾多の主役あるいいは主役級の役を演じてきた。私達は高山さんの声を聞いて育ったと言っても過言ではないだろう。

同じジブリ作品では「耳をすませば」の高坂先生(保健室の先生)の声も担当している。

ジジ|声優:佐久間レイ

ジジの基本情報

キキの相棒。人語を解す不思議な猫。非常にいいバディであったが、キキが空を飛べなくなるのと同時に、ジジは人間の言葉を話さなくなってしまった。それは物語のラスト以降も変わらなかったようで、「普通の猫」として家族を得て、人生(猫生)を謳歌しているようである。

なぜジジは人間の言葉を話せなくなり、ラストもそのままだったのか?

キキが空を飛べなくなったと同時にジジが人間の言葉を話さなくなったのはなんとなく分からなくもない。ジジが人語を話していたのではなくて、キキがその魔法の力によってジジの猫語を理解していたと考えれば一応の説明はつくし、キキ自身も「ジジの言葉がわからなくなった」と語っていた。ところがそのように考えると全体的な整合性を取ることは不可能となる。問題は2つ:

  • 「飛ぶこと」以外に特技がないという認識に反する。
  • 再び空を飛べるようになったのに、ラストでジジの言葉がわからないという矛盾。

となると、ジジの方が人間の言葉を話していたということになるだろう。猫なのにだ。

では、ジジは何故人間の言葉を話さなくなったのだろうか?ヒントとなる事実はいくつかあると思う:

  • 物語中でキキとジジが会話している姿を見たものは誰ひとりとしていない
  • 生身の猫であるはずのジジがぬいぐるみのフリが出来たという事実。

あれほど雄弁にキキと会話しているジジだが、二人が会話をしているのは実のところ二人っきりのときだけである。他の人がいるとき、あるいは他の人に認識されているときは決して会話をしない。

更に、生身の猫のくせにぬいぐるみのフリを仕切ったということも疑問が残る。そんなこと出来のか?もちろん無理だよ!ではこの不可思議な事実は何を意味するのだろうか?そのことについて個人的に考えたことを以下の記事にまとめている:

ジジは何故人間の言葉を話さなくなってしまったのだろうか?

声優の佐久間レイさん

声を担当したのは声優の佐久間レイさん。「それいけ!アンパンマン」のバタコさん、「とっとこハム太郎」のマフラーちゃん、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」のニナ・パープルトンなど、有名なキャラクターの声を担当している。私はすべてのキャラクターを知っているのだが、一人の声優さんだとは気が付かなかった。この辺が声優さんの妙技なのだろう。

コキリ|声優:信沢三恵子

コキリの基本情報

キキの母。登場時間は極めて少ないものの「魔女の宅急便」という物語を推進する本質的な仕事をしてくれた人物である。つまり、キキに自らの箒を与えた。

何故キキに自らの箒を与えたのか?

宮崎作品にはよくあることだが、普通に見ていると特に疑問を挟む余地はないのだが、少し考えてみると何やら不思議な現象というものがある。

コキリがキキに自らの箒を与えるシーンもその一つである。

なんかこう、シーンとしての説得力があり「そういうものだろう」と思ってしまうのだが、真面目に考え出すとこの作品のもつ基本構造が見えてくる。

キキが自分で作った箒で旅立とうとするということは「まだ自分が見えていない」、「世界の広さを知らない」といった幼さ、あるいは「無根拠な無敵感」の現れである。もちろんそういった「幼いおごり」を超えて成長するために魔女のしきたりはあるのだろうし、キキも頭の中ではわかっていたと思う。しかし、実際の行動としては「自分の箒を作る」というズレたものであった。

周りに頼れるものがたくさんある状況で、それに頼ってしまっては「しきたり」を超える事にならないとキキは考えたわけである。ある意味で理屈は通っているが、「目的よりも手段を優先する」という我々が陥る錯誤のど真ん中にいる。しかもキキはそのことに気がついていない。

彼女にとって大事なことは「しきたり」を超えることであり、自分が作った箒とともに「しきたり」をこえることではないはず。でも彼女は勝手に自分に手枷足枷をつけて頼まれてもいないのにハードモードでゲームを始めようとしていた。

一方、コキリはその「しきたり」によって課される日々の苛烈さを知っているのである。これについては僅かに以下の記事に書いていることにも通じる:

13歳にして故郷を旅立ち「自分の街」を発見することは極めて困難なことである(すくなくとも、私に出来たとは思えない)。

しかも、偶然発見した街がどんな街かわからないのである。キキがたどり着いたような穏やかな「海の見える街」とは限らない。そこにおソノさんがいるとも限らない。いても出会えないかもしれない。

そういう「しきたり」に基づく旅の根本的な困難を理解していないからキキは自分の箒で旅立とうとし、その困難さを理解しているからコキリは「せめて最大加速度で!」という思いで歴史と実績を誇る自分の箒を渡したのである。

つまり、コキリがキキに渡した箒は「先人の知恵」の象徴だろう。

ついついそういうものに頼らないことに意味があると思うのが「若さ」だが、使えるものは使った方がいい。それは決して悪いことじゃない。

私が人に手渡せる知恵なんて、大した事はないけど。

声優の信沢三恵子さん

声を担当したのは、声優、俳優の信沢三恵子さん。有名所では「未来少年コナン」のラナの声を担当してる。個人的に好きな作品では「サマー・ウォーズ」の陣内万理子の声も担当している。

オキノ|声優:三浦浩一

オキノの基本情報

キキの父。「となりのトトロ」のお父さんのような風貌だが、彼からすべての「毒気」を抜いたような人物。それ以上特に語ることのないところが彼の特徴だと思う。

ただ・・・彼の根本的な人間力はキキの父であるという事実にあるだろう。つまり、魔女コキリの夫であるということである。

あの世界で「魔女」なるものがどのように取り扱われているかは、キキの経験したことで僅かに分かる。人々はその存在を認識(すごいよね)しつつ、尊ぶべき存在とは思っていない。もしかしたら迷惑と思っている。そりゃそうだ、勝手気ままに空を飛ぶし、優れた才覚を持っていれば持っているほど、人々を惑わすような力をもつのである。

そういう対象に興味を持ち結婚する男とはどういう人だったのだろうか?

恐らくはトンボみたいな人だったのだろうと思う。

そんな彼らの人間性を極めて肯定的に述べると「ほんの少しだけ常識の外にいることが出来て、目の前の人をそのまま見ることの出来る人」ということになると思う。

悪く言うと「変なやつ」である。

ただ、優れた才覚の近くに要られる人はちょっとだけ「変な人」だろう。なんとも特徴のない人物に見えるが、オキノはトンボと同じくらい面白い男なのだと私は思う。

声優の三浦浩一さん

声を担当したのは俳優の三浦浩一さん。この役以外にはアニメーションの声優は担当していないようであるが、そうなると何故キャスティングされたのかが気になる。どのように決まったのだろうか?

トンボ|声優:山口勝平

トンボの基本情報

キキたどり着いた街にいた少年。職質を受けているキキを「ドロボー」の一言で救った(?)人物。

なんとも明るく前向きな性格で交友関係も広い。キキが新天地で得た最初の「友達」である。

予期せぬ交友関係

持ち前の好奇心と人間性を持ってキキの同世代の知人となったトンボだったが、彼は決してキキにとっての完全な「安全地帯」ではなかった。

トンボはキキの故郷にいた友人とは異なり、キキが把握できない交友関係も持っていたのである。そんなこと当たり前ではあるのだが、トンボ以外に同世代の知人がいないキキにとってその事実を知ることは、むしろ疎外感や孤独感を増大させることになった。

一方で、そんな自分のくだらなさにもキキは気づいてしまっており、これまでの蓄積では太刀打ちできない問題に立ち向かうことになったわけである。

ただ、それを乗り越え、最終的に空を飛ぶ力を取り戻したキキは、トンボという存在をハブ空港にして人間関係を広めたことがエンディングアニメーションで見て取ることが出来る。

トンボ君はいい仕事をしてくれたね。

声優の山口勝平さん

声を担当したのは声優の山口勝平さん。「らんま1/2」の早乙女乱馬、「名探偵コナン」の工藤新一、「ONE PIECE」のウソップなど、多くの主要キャラクターの声を担当している。

先輩魔女|声優:小林優子

先輩魔女の基本情報

キキの先輩魔女であり、「しきたり」による修行期間を終える魔女。キキの幼い覚悟と溢れんばかりの暖かさで始まった「魔女の宅急便」という物語に最初の楔を打った人物であった。

どうにもいけ好かない雰囲気を持っていた人物であるが、それにはいくつかの理由があったと思われる。

概ねそれはメタ的な理由であったと思うのだが、「魔女の宅急便」という物語のあの瞬間に彼女が現れた理由については以下の記事で個人的に考えたことをまとめている:

キキが出会った先輩魔女は、なぜあれほどまでに「いやなやつ」だったのだろうか?

声優の小林優子さん

声を担当したのは声優の小林優子さん。「おばけのホーリー」のキャンディや「ゲッターロボ號」の橘翔の声を担当してる。

おソノ|声優:戸田恵子

おソノさんの基本情報

キキが奇跡的に見つけた居候先である「グーチョキパン店」の女将さん。

端的に言うと非常に親切で面倒見が良い人物で、居候の条件も、電話番と店番をしてさえくれれば「部屋代・電話代なし、朝ごはん付き」という信じがたいほどの好条件であった。

これをただ「親切」で納得することも出来るのだが、おソノさんにはもう少し思惑があったように思える

いちばん重要な事は、おソノさんは妊娠しており、ほぼ臨月であるということである。ギリギリまでおソノさんは店の業務を行っていたということになるが、パン屋での仕事はそろそろ限界を迎えていた。

そのような状況下、一つの作戦として考えられるのは、パンの生産量を減らし接客もおソノさんの夫が担うということである。

しかしどうだろう。あの人に接客ができるだろうか

出来るかもしれない。きっと頑張るだろう。でも、店の信用はガタつくかもしれない。

となると、一定期間店を閉めるという作戦も考えられる。しかし、休むとなったら何日休むことになるだろう。その間の収益はまったくない。夫は元気にパンを作れるのに。

おソノさんとしても非常に苦しい状況にあったと思うのだが、そこに「行き場のない少女」がうまいこと現れた。これはおソノさんにとってもキキは「蜘蛛の糸」だったと言えるだろう。

言い方は悪いが、おソノさんは最安値の労働力を発見したのである。

さらにうがった考え方をすると、そもそもおソノさんにとってキキが居候した部屋は「どのように扱えばいいかわからない場所」だたと思われる。その部屋の使い道の実験台としてキキを利用したのではないだろうか。

結果としてキキがそこを掃除し「居候」という事実を実現したとなると、あの部屋の使い道は増える。いつかキキはあの部屋を出ることになるわけだが、そのときにはお金を取って誰かを下宿させることが出来るのである。おソノさんは新たな収入源を確保したということも出来るだろう。

ただ、大事な事は、ここまで考えたことが全て正しかったとしても、おソノさんが面倒見のいい人であることに変わりはないということである。おソノさんの内面にどんな思惑があろうとも、結果としてキキの人生の推進剤になった。

おソノさんは行き場のない少女に居場所を提供したということは明確な事実であり、実のところそれだけが大事なことである。そのように私は思う。

声優の戸田恵子さん

声を担当したのは俳優、声優の戸田恵子さん。数多くの作品で俳優として出演している方だが、その一方、声優としても私達がよく知る登場人物の声を担当している。最も有名なのは「それいけ!アンパンマン」のアンパンマン役だろう。この事実を初めて知ったときは結構衝撃だった。

アンパンマン以外にも、「機動戦士ガンダム」のマチルダさん、「キャッツアイ」の来生瞳などを担当している。

亭主|声優:山寺宏一

亭主の基本情報

おソノさんの夫でパン職人。職人気質で口数は少ないようだが、数少ない登場シーンの中でその人柄の良さがうかがえる。

一言でいうと地味な存在ではあるが「魔女の宅急便」という作品中唯一ジジを認識した人物でもある。

声優の山寺宏一さん

声を担当したのは声優の山寺宏一さん。あまりにも多くの主要人物の声を担当しておい「代表作」が何なのか全くわからないのだが、個人的に記憶に残っているのは、「カウボーイビバップ」のスパイク・スピーゲルだと思う。本当にはまり役だったよね。ただ、一番の衝撃を受けたのは「それいけ!アンパンマン」のチーズの声も山寺さんであるという事実を知ったときであった。

なんでもできちゃうんだね。

ウルスラ|声優:高山みなみ

ウルスラの基本情報

キキが猫のぬいぐるみを落としてしまった森の小屋で絵を描いていた人物、19歳。

落とした際に破損していたぬいぐるみの修復を「部屋の掃除」を条件に請け負ってくれた。

トンボがなんとか同世代の「知人」となってくれそうではあったが、何かを相談する相手がいなかったキキにとって、ウルスラは故郷を出てから初めて出会った相談できる「姉御」のような存在であったと思われる。

ただ、そんなウルスラもまだ19歳であり、これから様々な困難を乗り越えていかなければならない若者である。もしかしたらウルスラにとっても、キキという存在は何かを相談できる誰かになっていったかもしれない。

声優の高山みなみさん

キキの項参照。

老婦人|声優:加藤治子

老婦人の基本情報

孫娘の誕生日に「ニシンのパイ」を送ろうとキキに仕事を依頼した人物。

結果的に幼少期の私達に「ニシンのパイ事件」という忘れがたい事件を体験させた黒幕とも言える。

あの事件は一緒に暮らしていない孫娘との認識の差が生み出してしまった悲劇とも言えるが、もう少しうがった見方もあると思う。

ニシンのパイという爆弾

さて、どんなに人の良さそうな人、そしてその人の行動にもなにか裏がありうる。

あの老婦人は孫娘がニシンのパイを嫌いなことを知らなかったのだろうか?恐らく孫の幼少期に「おばあちゃんのパイ美味し~」くらいの事は言ったと思われるし、そういう孫娘との思い出をず~っと大切に覚えていたとも考えられる。

しかしだ、キチンとその事実を認識していたということも考えられる。そのような仮定に立つと、老婦人の行動の意味は全く変わってくる。

老婦人と孫娘は同じ家で暮らしていない。つまり、老婦人は自分の子供夫婦ともともに暮らしていないということになる。

老婦人と暮らそうとしない彼らに自分の存在を忘れさせまいと、孫娘のためとうそぶきながら頑なにニシンのパイを送り続けたのかもしれない。

流石に悪意を持って状況を考えすぎだが、人の行動の理由というものは表面的なことだけではわからないこともあるだろう。

老婦人は本当に孫娘が好きだと思ってニシンのパイを送ったと思うけど。

声優の加藤治子さん

声を担当したのは俳優の加藤治子さん。アニメーションの声優はそれほど多く行ってはいないようだが「ハウルの動く城」のサリマンも加藤さんによるものである。

老婦人の孫娘|声優:鍵本景子

の基本情報

キキが老婦人の以来を受けてニシンのパイを届けた人物。

キキとしてはただニシンのパイを届けただけでなく、自分で焼いたものを大雨の中懸命に届けたのである。孫娘のそっけないというかある種の敵意のある対応には非常に苦しい思いをしたことだろう。

この「ニシンのパイ事件」を見て「宅配便の人には笑顔で対応しよう」と心に決めたのは私だけではないはず。

キキとしては確かに気の毒ではあったのだが、「頑張れば望むように報われる」とか「こちらの善意は必ず肯定的に受け入れられう」ということが必ずしも成立するわけではないことを学んだという点においては良かったと思うこともできるだろう。

おぜぜを稼ぐとは誠に大変なことである。

声優の鍵本景子さん

声を担当したのは俳優の鍵本景子さん。アニメーションの声優はこれ以外に担当していないようだが、私達の心に楔を打ち込む声を担当していただいた。感謝すべきだろう。

マキ|声優:井上喜久子

マキの基本情報

キキの宅配業者としての最初の客。非常にスタイリッシュな出で立ちで、キキもある種のあこがれを抱いていたように思われる。

気位の高そうな白猫を飼っており、最終的にジジはその白猫と世帯をもつことになる。

声優の井上喜久子さん

声を担当したのは声優の井上喜久子さん。多くの作品で声を担当している方だが、私と同じ世代の人なら「ふしぎの海のナディア」のエレクトラさんというと一番ピンとくるのではないだろうか。

ジェフ

マキの甥っ子が飼っている犬。

「ぬいぐるみのふりをする」という到底成功するとは思えないミッションを成功させたジジを最終的に家のその外に出してくれただけでなく、ぬいぐるみを持ち帰ってくれた。

実質的にキキの初仕事は「失敗」していたわけだが、ウルスラ、ジジ、そしてジェフのお陰でなんとか成功したことに出来た。なんともお粗末にも見えるが、結局こういう形で多くの人の世話になるということも重要なことである。

「自分だけでやる」などというどうでもいいことにこだわらないということも人生においてとても大事なことだと思う。

掃除夫|声優:田口昂

掃除夫の基本情報

物語の最後、トンボを救うために空を飛ぶ必要にかられたキキが箒を借りた人物。

極めて地味な登場ではあったが、後ほんの少しキキが箒を発見するのが遅れたらトンボの命運が変わってしまっていたかもしれないことを考えると、「そこにいた」といういい仕事をした人物と言えるだろう。

たまには箒を持って歩いてみるのもいいかもしれない。

声優の田口昂さん

声を担当したのは声優の田口昻さん(1942年5月18日- 2016年8月16日)。1970年代から活躍し、多くの作品でバイプレイヤーとして参加してきた方である。

その他の登場人物

魔女の宅急便」英語吹き替えの声優一覧

キャラクター名 声優
キキ キルスティン・ダンスト
ジジ フィル・ハートマン
コキリ キャス・スーシー
オキノ ジェフ・ベネット
トンボ/コポリ マシュー・ローレンス
先輩魔女 デビ・デリーベリー
おソノ トレス・マクニール
亭主(おソノさんの夫)
ウルスラ ジャニーン・ガラファロ
老婦人 デビー・レイノルズ
バーサ エディ・マックラーグ
老婦人の孫娘 ジュリー・リン
マキ
掃除夫
警官 マット・K・ミラー
アナウンサー コーリー・バートン
マキ
ケット パメラ・シーガル
ケットの母
ケットの父
ケットの祖母
ドーラ
時計塔の番人
トラックの運転手
ホテルのフロント係
「自由の冒険号」の船長
赤ん坊
老婦人の孫娘の友人

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「ジブリ作品」と聞かれたら「平成狸合戦ぽんぽこ」と答えることにしているが「君たちはどう生きるか」も候補に入るかもしれない。

この記事で使用した画像は「スタジオジブリ作品静止画」の画像です。


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北国出身横浜在住の30代独り身。日頃は教育関連の仕事をしていますが、暇な時間を使って好きな映画やアニメーションについての記事を書いています。利用したサービスや家電についても少し書いていますが・・・もう崖っぷちです。孤独で死にそうです。でもまだ生きてます。だからもう少しだけ生きてみます。