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一番好きな「天空の城ラピュタ」は古いVHSの中にある。

皆さんが一番好きなジブリ作品ななんだろうか?こういった質問をされると非常に困ると思うのだが、私その手の質問には「平成狸合戦ぽんぽこ」と答えることにしているの(実際そうだし)。ただ、今回話したいのは「ぽんぽこ」の話ではなく、「天空の城ラピュタ」についてである。

確かに一番好きなのは「ポンポコ」なのだが小学生の頃の視聴回数でいうと「ラピュタ」がダントツ1位で、学校から帰っては「ラピュタ」を見るということを延々と続けていたこともある。

そして、私が見ていたのはブルーレイでもDVDでもなくVHSである。しかも市販のソフトではなくTV番組を録画したいわゆる「ごちゃどりビデオ」。

そのせいもあって。私にとって一番好きな「天空の城ラピュタ」は未だに実家に眠っているVHSの中にある「ラピュタ」となっている。

では、市販のソフトと比べて実家のVHSは何が特別なのだろうか?その辺のことを書こうと思う。

「天空の城ラピュタ」の全体的なあらすじはこちら

「天空の城ラピュタ」テレビ初放送


私の実家に眠っているVHSの中にある「天空の城ラピュタ」はテレビ初放送時の映像である。別に初放送だろうが100回目の放送だろうが内容は変わらないはずなのだが、実際には変わってしまう。何がどのように違ったのだろうか?

宮崎駿監督のインタビューとC.W.ニコル

テレビ初放送は本編の前に宮崎駿監督のインタビューが収録されている。宮崎監督をイメージしたという書斎のセットの前でアナウンサーがこれまでの作品のことや、「ラピュタ」のこと、そして次回作「となりのトトロ」のことを聞いているのだが、実際問題大した内容ではない(放送は1988年4月2日、トトロ公開が同年4月16日)。現代的には若き日の宮崎監督が話している映像として極めて貴重ではあるけれど、それ以上の価値は見いだせない。特に小学生だった自分にはどうでも良いことだった。

そういったインタビューが終了後に本編が始まるかと思いきや、なぜかC.W.ニコルさんの語りが始まる

「空を飛ぶ夢を見たことありますか?私はしょっちゅうあります。」という印象的な言葉からニコルさんの語りは始まり、「天空の城ラピュタ」について「まるでウェールズを見ているようでした」という感想を述べる。

そりゃそうですよニコルさん。宮崎監督はウェールズにロケハンに行ってるんですから。この辺の話は「ジブリの教科書」や「もう一つの「バルス」」に描かれている。

もともと高畑勲さんや鈴木敏夫さん達とウェールズにロケハンに行くはずだったのだが、予定が合わずにたった一人でロケハンに行く羽目になった宮崎監督は、現地のコーディネーターに付き添われてウェールズを周ったのだが、日がな一日ず~っと空を見上げていた。そんな宮崎監督の姿を見た現地のコーディネーターは「ああ、日本には雲がないんだな」と思ったそうな。さらに、そこで撮ってきた写真が宮崎監督の作業デスクに多数はられており、それを見た当時の制作担当だった木原浩勝さんの感想は「ラピュタは雲の物語なんだ」であった。

何れにせよ、宮崎監督のインタビューよりも、C.W.ニコルさんの語りのほうが思い出に残っている。あの語りがなければ「ラピュタ」とは言えない。

では、C.Wニコルさんの語りがあれば、私にとっての「ラピュタ」になるかといえばそうではない。あのVHSの中にはたくさんのCMが収められていたのだ。

「ラピュタ」を彩ったTVCMたち

ヤマザキ春のパンまつり

実家のVHSの中に入っているTVCMとして最初に思い出すのは「ヤマザキ春のパンまつり」である。「わったしがーみーつーけーたー白い~春はときめききーぶん~」というCMソングだった。

「ラピュタ」の公開が1986年、テレビ初放送が1988年4月である。

あの頃から「パン祭り」は続いているのである。今年も皿を配るのだろうか?

クボタ耕運機

もう一つ思い出に残っているのが「クボタ耕運機」である。当時は「くぼたがくぼたが田植えを変えた」という歌に乗せて映像が流れていた。このCMは私の思い出の中にこびりついているのだが、未だに私にわからないのは「耕運機」のCMを一般の人々に見せることの広告効果である。少なくともあれが全国的なCMだったとは思えない(私は地方出身である)。ただ、地方に特化したCMだとしても、それを必要とする人には予め情報が流れていると思うのだ。

とはいえ「クボタ耕運機」も「私が一番好きなラピュタ」の一部となっている。

三菱ミラージュ-霧雨で見えない-

もしかしたらこのCMが一番外せないのだが、三菱ミラージュのCMである。現在は製造されていないそうだが、当時のミラージュは3代目だそうで、ちょうど1987年からモデルチャンジがなされた。そして重要なのがCMソングなのだが、1987年から1991年まで、一貫して松任谷由実が担当した。

実家のVHSの中にある曲は「霧雨で見えない」である。

「さがーしーわーしなーいとーちかあった」というサビの歌詞と、CMの映像が未だに頭にこびりついている。もしかしたら松任谷由実の曲で一番好きなのは「霧雨で見えない」かもしれない。

結局録画されていたものすべてが思い出

ここまでに述べてきた、宮崎監督のインタビュー、C.W.ニコルさんの語り、TVCMのすべてが「天空の城ラピュタ」と渾然一体となって私の中に思い出として眠っている。

さらに、TVCMについては「どのタイミングでCM入るか」ということもこみになってくるので、新たにTVで「ラピュタ」が放送されてもCMのタイミングがずれるので非常に気持ち悪い。しかも、Blu-rayでCMなしのものを見ても「ホントはこのへんでCM入るのにな~」と僅かに違和感がある。何処までの私の体には、実家のVHSの中に眠っている「ラピュタ」が染み込んでいるのだ。

実は「となりのトロ」についても同じような思いを抱いているのだが、不思議なことにそちらの方の記憶はどんどん薄れている。やっぱり子供の頃に一番好きなジブリ作品は「天空の城ラピュタ」だったのだろう。

今は「ぽんぽこ」だけど。

この記事で使用した画像は「スタジオジブリ作品静止画」の画像です。