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【FF6】ケフカは何故最弱のラスボスだったのか?

前回は「FF6」というゲームが何故面白いのかについて、個人的に思ったことをまとめてみた。

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基本的には「大団円で終わったエヴァンゲリオンである」という結論だったが、エヴァンゲリオンが見事に完結した今、「先取りしたエヴァンゲリオンだった」ということになるだろうか?

今回は、おそらくFF史上最弱のラスボスであったケフカについて書こうと思う。

なぜケフカはあれほどまでに弱かったのだろうか?基本的にはラストダンジョンを突破する事ができる状況にあればどうやったって倒せてしまう。なんの苦労もなしに。

そのケフカの弱さについて、前回書いた「ボロボロの主人公たち」の話を絡めながら考え、最終的にはケフカとはどういう存在だったのかを考えていこうと思う。

まずはケフカという存在を思い出すために、その悪行について振り返ってみよう。

ケフカが最弱のラスボスになるまで

ff6におけるケフカの悪行は概ね以下の通りだろう:

  • 「操りの輪」によるティナから自由意志の剥奪
  • フィガロ城の焼き討ち
  • 毒薬によるドマ城攻略
  • 三闘神の力を用いた世界の壊滅
  • 瓦礫の塔による恐怖政治

他にも色々やらかして入るが、ラスボスとして最弱だった割にはあの世界で一番自由な男でもあったようで、極めて好き放題にやっている。ただ、どうしてもわからないのは彼の「動機」である。

ケフカは帝国のトップではなかったが、要職にあり、多くの部下を従える立場にある。どう考えても「うまくやってるやつ」に分類される人物である。しかしケフカは極端な破壊衝動を発揮し、皇帝を殺害したばかりか、世界を崩壊させ、恐怖政治で世界を統治したのである。

もちろん、ゲームを進行するために都合の良い道化師と考える事もできるし、それが一番自然だろう。だが、それ以上の意味合いがあるように思えてならないのである。それを理解するためにはファイナルファンタジーVIの主人公たちの苦しみを思い出さなくてはならない。

ボロボロの主人公たち

ff6の主人公たちの特徴の1つは、あれだけ人数がいるのに、揃いも揃ってその内面がボロボロであるとう点である。そのことについては以前、エヴァンゲリオンのネルフと対比しながら考えた。

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結局の所、ティナもロックもエドガーもカイエンもシャドウも、あの世界を憎んでいるのである。

ティナはそもそも自分が分からないし、ロックは愛した女性の死を引きずっているし、エドガーは実のところ国を捨てて自由に生きたいと思っているし、カイエンは家族を守れなかったことを悔いており、シャドウは自分を消したがっている。

彼ら以外の主人公たちも、緑の生い茂る美しい世界で、死にそうな苦しみを抱えている。

彼らにとってあの美しい世界は地獄そのものであり、その内に強烈な破壊衝動を隠しているのである。

このように考えると、ケフカが一体何者だったのか、そして、なぜ最弱のラスボスだったのかが分かってくるだろう。

ケフカとは何だったのか?

破壊衝動の象徴

結局の所、ケフカとは一体どういう存在だったのかというと「主人公たちの内面の苦しみや、世界を呪う気持ちの象徴」だったのだと思う。

FF6の主人公たちは基本的に世界を呪っているので、意識しているかどうかに関わらず「こんな世界なくなってしまえ!」と思っているのである。そしてケフカはそんな彼等の代わりに、本当に世界をぶっ壊してくれているという構造になっている。

ティナは「操りの輪」で自由意志を失ったが、そもそも自分の所在が分からないティナにとっては、その方が生きやすかったかもしれない。

フィガロは焼き討ちされたが、そのおかげでエドガーは自由な冒険の旅に出ることが出来た。

世界の崩壊はそもそも彼らが望んでいたことだし、自分たちを苦しめた世界を恐怖によって統治したかったのは、実のところ主人公たちだったのかもしれないのだ。

ただ、ドマ城を毒薬を利用して攻略したことは少々矛盾があるように思われる。そのせいでカイエンは世界を呪ったのだから。

しかし、これも見方を変えるとキチンと「誰かの破壊衝動」を代表していることが分かる。

それはもちろん、帝国の兵士である。

ドマ城攻略戦で、勇猛果敢に戦うドマの戦士のとの戦いに、帝国兵はすでに疲弊しているはずである。もちろんゲーム内での兵士の会話はレオ将軍を支持して、ケフカを忌み嫌っている。だが、ほとんどすべての兵士は、すぐにでも地元に帰りたい二期混てっている。

しかし、レオ将軍は真っ向勝負を仕掛けようとしているわけである。子供の頃なら確かにレオ将軍を好きになるのだが、戦いが長引けば長引くほど帝国兵の疲弊は大きくなっていくのである。もとろんレオ将軍は超人なのでその程度のことでへこたれることはないだろうが、普通の兵士は違う。

心の片隅で毒薬作戦を思った兵士なんていくらでもいたはずである。だってそれで戦いは終わるのだから。

そういった兵士たちの思いの象徴としてケフカは毒薬作戦を結構したと見ることができる。もちろん、ケフカは思いの外邪悪だったので、結果的に帝国兵も死んじゃったけど。

以上のように、ケフカはFF6に登場するありとあらゆる人々の破壊衝動の象徴だったのだと思う。

別の言い方をすると、みんなの代わりにやってくれたのである。

ラスボスとしてのケフカは何故弱いのか?

以上のように、ケフカは本編に登場した人々の破壊衝動の象徴だったと思えるわけだが、そのように考えると、ケフカが最弱のラスボスであったこともよく理解できる。

ファイナルファンタジーVIの主人公たちを始めとするあの世界の人々は、どこかに破壊衝動を抱えていたのだが、壊滅した世界のなかでそれぞれが「それでもなおこの世界は美しい」と思えるなにかを見つけていった。

地獄のような美しい世界から、それでもなお美しい荒廃した世界変わったのである。

その状況下では、少なくとも主人公たちの中には「破壊衝動」はない。ケフカがこれでもかと「裁きの光」を用いて実践してくれたからである。

したがって、崩壊した世界にはケフカはもう必要ないのである。

ケフカがFF史上最弱のラスボスである理由は、ラスボスとして登場したときにはすでにその役割を終えているからである。

別の言い方をすると、ケフカというのは「おばけ」とか「幽霊」といった存在にちかいものと言うこともできる。

我々が望むときにそこにいてくれて、必要がなくなったら消えていくのである。

なんとも切ない話じゃないか。「俺を生み出したのは君たちじゃなかいか!」くらいのことを、ケフカは最後に叫ぶべきだったのではないだろうか。

もう少しだけケフカを思いやってあげても、バチは当たらないと思う。

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